議会最終日に反対討論

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13日に2015年度予算を審議した第1回定例区議会が終わりました。最終日には区議団全員が反対討論に立ち、私は、予算案に反対する討論に立ちました。以下、反対討論の原稿です。これには区議団の予算に対する考え方が端的に示されています。

2015年度予算に対する反対討論

2015年3月13日

日本共産党練馬区議団 島田拓

日本共産党練馬区議団を代表して、議案1~4号2015年度練馬区一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の4議案に反対の立場から討論を行います。

反対理由の第一は、区民にさらなる負担を強いていることです。

いま国民生活は昨年4月の消費税増税と円安による物価上昇で実質賃金が減少するなど、厳しさを増しています。さらに社会保障の連続的な改悪がそれに拍車をかけています。

練馬でも国民健康保険の滞納者世帯は3万世帯を超え、資格証世帯も4174世帯と23区の中でもとくに高い水準にあります。生活保護も過去最高を更新し、就学援助世帯は4人に1人と、いまだ深刻な状況がつづいています。

ところが練馬区は、国民健康保険料や介護保険料をまたもや値上げしました。介護保険にいたっては、ほとんどが11%以上の値上げとなっています。一方で、2年間の実施猶予がある総合支援事業について、来年度から早期に実施し、要支援者に対する保険給付を削減しようとしています。これでは区民の生活はさらに悪化することは避けられません。

反対理由の第二は区民が切実に求める声に応えていないことです。

区は、アクションプランの中で、認可保育園や特養ホームの増設目標を大幅に下方修正しました。1次選考時点で認可保育園に入れなかった0~2歳児は1234名に達しているに、来年度の増設は前年度17園から4園に激減するなど、区民の思いに応えるものとなっていません。

特養ホームについても、待機者が約2600名と変化していないにもかかわらず、3年間で340床の増床に止まるなど、目標を従来から半減させ、来年度は1か所のみの開設に止まっています。

医療過疎と呼ばれる練馬において、病院の増設は待ったなしですが、前区長が掲げていた5大病院構想の柱の一つである500床の急性期病院の建設は、ビジョンからも外され、調査研究経費さえ計上されていないなど、後景に追いやられました。

さらに区内中小企業対策の予算も、プレミアム商品券を除けば減少傾向であり、中小企業者が切実に求めているゼロ金利融資や経済効果の高い住宅リフォーム制度については冷たく拒み続けています。

反対の理由の第三は、行革をさらに進めるものとなっているからです。

区民サービスの根幹を支える区職員は、慢性的な不足に陥り、区民サービスが後退しています。とくにケースワーカーでは、一人当たりが受け持つ生活保護世帯数が最高で274世帯、平均でも110世帯となり、都からも改善勧告が出ているにもかかわらず、まったく改めようとしていません。

区は、こういった状態を放置したまま、行革でさらに職員を削減し、委託化を進めようとしています。こんなことを繰り返せば、区職員の専門性が失われ、区民サービスが低下することは避けられません。

反対の理由の第四は、不要不急の開発予算を温存していることです。

来年度の都市整備費や土木費の予算規模自体は減少していますが、半世紀以上前に決められた道路計画に固執し、計8本もの道路の関連予算を計上しました。今後の事業の進捗にともなって多額の予算が計上される危険性があります。

関越高架下活用についても、例外許可申請に対する沿道住民の同意・不同意の調査を行っていますが、とても住民合意ができているとは言い難いにもかかわらず、建設を強行しようとしています。

さらに現時点で見通しが立っていない大江戸線延伸について、使途も明らかかにしていない延伸推進基金には来年度5億円、再来年度からは毎年10億円もの基金を積み増そうとしています。

区は、福祉関連予算が予算に占める割合が最も多いから福祉優先だとしていますが、福祉予算が多いのは当然であって、むしろ不用・不急の開発予算や多額の財調基金などを切り崩してでも足りない福祉予算に充てるべきなのです。

以上の理由から、切実な区民生活に応えた予算とはとても言えず、予算のあり方を暮らし、福祉最優先に切り替えることを求め、反対討論といたします。

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